生きていることば

共通の言語を使用していても話が噛み合わない場合には何らかの原因があり(たとえば、無知など)、そのために論点がぼやけてしまうこともひょっとしたらあるのかもしれません。

独り言のようになってしまいますが、自戒の念を込めて、言葉に向き合ってみようと思います。

まず、カタカナ語(和製英語)であるナイーブ。
この言葉には悩まされました。
なぜなら、英語圏で使用されているnaiveの意味とは大きく異なるということを私が知らなかったからです。


また、カタカナ語で調べても、ほとんどが、

[形動]飾りけがなく、素直であるさま。また、純粋で傷つきやすいさま。単純で未熟なさま。「ナイーブな感性」「ナイーブな性格」

(参考デジタル大辞泉)

などと出てくるため、混乱しやすいカタカナ語であるといえましょう。
これは明治期にnaiveという言葉が訳された時から意味が少しずつ変わり、このように異なる(または、連続している)状態を示す言葉に変化していったからだと思います。

「彼はナイーブ(繊細な=sensitive)な人だから」

等、現代の日本において用法としては主に上記のように使用されているようです。
英語圏で使用する際は注意が必要であると、一つ学ぶことができました。

そして、「侮辱/差別」について。

(参考デジタル大辞泉)
侮辱
[名](スル)相手を軽んじ、はずかしめること。見下して、名誉などを傷つけること。「侮辱を受ける」「他民族を侮辱する」
差別
[名](スル)
  1.  あるものと別のあるものとの間に認められる違い。また、それに従って区別すること。「両者の差別を明らかにする」

  1.  取り扱いに差をつけること。特に、他よりも不当に低く取り扱うこと。「性別によって差別しない」「人種差別」

  1.  ⇒しゃべつ(差別)


また、(スル)には

[動サ変][文]す[サ変]
    1. ㋐ある状態・現象の起きたことやその存在がおのずと感じられる。「稲光がする」「地鳴りがする」「物音がする」「においがする」「寒けがする」「動悸 (どうき) がする

    2. ㋑ある状態になる。ある状態である。「がっしりた骨組み」「男好きのする顔」

    3. ㋒(金額を表す語に付いて)それだけの価値である。「五億円もする絵」「その洋服いくらた」

    4. ㋓(時を表す語に付いて)時間が経過する。「一年もすれば忘れるだろう」

    1. ㋐ある事・動作・行為などを行う。意図的にその物事・行為を行う場合から、ある状態や結果になるような動作・行為を行う場合、結果としてある事を行ってしまったり望まないのにそうなったりする場合など、いろいろに用いられる。「運転をする」「仕事をする」「いたずらをする」「道路を広くする」「負担を軽くする」「女らしくする」「大損をする」「やけどをする」「下痢をする

    2. ㋑ある役割を努める。ある地位にあって働く。また、そのことを仕事として生活をささえる。「司会をする」「仲人をする」「料理長をている」「商売をする

    3. ㋒(多く「…を…にする」「…を…とする」の形で)人や物事を今とはちがった状態のものにならせる。ある地位に就かせたり、ある用に当てたりする。「息子を先生にする」「彼を会長にする」「肘 (ひじ) を曲げて枕とする」「失敗を教訓とて生かす」

    4. ㋓ある状態・性質であることを示す。「鋭い目付きをた男」「むじゃきな顔をた子供たち」

    5. ㋔身に付ける。「ネクタイをする」「マスクをする

    6. ㋕…であると判断をくだす。みなす。また、決定する。選んでそれに決める。「まあ、これでよしとよう」「友をよき競争相手とする」「出場を取りやめにする」「私は、コーヒーにする


とあり、私が使用した”差別”の場合、

2 取り扱いに差をつけること。特に、他よりも不当に低く取り扱うこと。「性別によって差別しない」「人種差別」

  であるため、動詞(スル)は、

   2のア
    ある事・動作・行為などを行う。意図的にその物事・行為を行う場合から、ある状態や結果になるような動作・行為を行う場合、結果としてある事を行ってしまったり望まないのにそうなったりする場合など、いろいろに用いられる。「運転をする」「仕事をする」「いたずらをする」「道路を広くする」「負担を軽くする」「女らしくする」「大損をする」「やけどをする」「下痢をする

    であり、行為を示す侮辱・差別が英文法でいうところの目的語となることがわかりました。

こうして考えると、言葉は文脈の中で生きてくるのだと改めて思います。

***

日本語学者であり、辞書編纂者である飯間浩明さんのお話は、twitterでもとても興味深く面白いです。
飯間さんのインタビュー記事から、少し引用いたします。
言葉を『正しい/間違い』で価値判断しないでください。言葉を使う上で一番大事なことは、その言葉が相手に届くかどうか。言葉の意味は時代によっても、状況によっても変わります。教科書的に正しいとされる言葉を使っていれば間違いない、ということは決してありません。その言葉で相手に誤解を生まないか、ということに注意を向けて、伝わる言葉を使ってほしいと思います」。”

この文章を読み、本当に私はハッとしました。
言葉には複数の意味がある場合も多々ありますし、飯間さんが書かれているように、時代や状況によっても変化します。
読んで下さっている方々がいる限り、こうした個人的な記録を兼ねた日記だとしても丁寧にお伝えしていく努力が必要だ、と、改めて反省しました。
私自身、年齢を重ねてもまだまだ未熟であるし、学ばなければわからないことばかりです。
間違えることもたびたびあります。
しかし(最期の時がいつかはわかりませんが)、

「年老いた愚か者は長く生きたのではなく、長くこの世にいたに過ぎない」

とならぬよう、日々精進したいと思います。


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by icecream07 | 2017-08-23 10:27 | その他